Ashihara Hideyuki has made his special weapon by himself. First he called it Ashihara Baton, now it was known as A-baton in Japan.
Hand guard (left) A-baton prototype(right)
Ashihara was teaching A-baton at a police branch.
Ashihara Hideyuki with A-baton.
Ashihara was teaching the A baton. 芦原がAバトンを指導している写真である。
※写真の著作権は筆者にあります。
ここで、芦原が持っているAバトンは、芦原が創造した最終形のAバトンである。持つ部分が、上下にダブル回転機能がついているAバトンである。芦原が、警察や自衛隊で使わせたかったのが、ダブル回転機能のあるバトンであった。のちに芦原會館が売り出したL字バトンは、その形状は芦原が開発したAバトンに酷似しているが、こちらはダブル回転機能付ではない。日本において「特殊警棒」という呼び名は、ノーベル工業の登録商標である。一般的には「伸縮式警棒」もしくは「伸縮式護身具」と呼ぶのが正しい。
警察などの公的文書では、「特殊警戒用具」と表記する。そのため芦原も警察や自衛隊に見せるために作成したマニュアルビデオでは、最初に「特殊警戒用具」という表現を用いている。アメリカでは、州によっては「トンファー型特殊警棒」が採用され、普通これを「ポリスバトン」と呼んでいる。日本の警察では、「警棒は、基本的には殺傷力の低い護身用具・捕具」と規定している。さらに2006年より「鍔付き2段式65型警棒」が配備されるようになった。これは、以前の「3段式53型」(全長50cm/アルミ製)が、継ぎ目で折れる事が多く不評であったためと言われている。現在警察官が着装している警棒は、伸縮式の警棒で「被疑者の制圧」「車のウインドウを割る」などにも多用される。グリップエンドには、ガラス・クラッシャー機能などがついている。この「65型警棒」についての詳細は一般に公表されていないが、私がいろいろ調べた限りでは最短時約36cm/最長時約65cm/重量約330gで十字鍔付き(普段が一文字で収納可)ジュラルミン製ではないかと推測される。これは一時期一般で市販されていた「N製2段式特殊警棒Ⅲ―R型」に近いといわれている。(現在は販売禁止)
芦原の考案したAバトンは、こうした現状を踏まえた上での未来へ向けての特殊警棒であったということができる。芦原が考えていたAバトンの最終形は、警察のSPや私服警官が背広の下に隠し持つことも可能で、瞬時に取り出して相手を制圧できるものでなければならないという考えがあった。さらに機能的に軽く頑丈で、女性でも短期間の稽古で制圧技術をマスターできる警棒という理想を追求していた。そのための指導プログラムも綿密なものを作り上げていた。
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