Samurai Bushido Channel in Japan

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芦原英幸のサバキ考察1

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芦原英幸先生のサバキ考察

芦原英幸先生のサバキ技術の一つに「回し崩し」というのがあります。

これは、わかりやすい説明が、芦原先生から独立した石井和義氏の正道会館

の解説でたいへんわかりやすい図解があるので、引用させていただきましょう。

🄫正道会館

この図解のように、左足前のオーソドックススタイルでは、右手で相手の肩口を掴み左した斜め45度の方向に引き崩します。この時、自分の左手でパンチあるいは、ヒジ打ちを相手の頭部に打ち込むのが、芦原先生のサバキでした。しかし、後にこれが危険であるということで、左手を相手の後頭部に引っ掛けて崩す。相手が、下を向いたところへヒザ蹴りを入れるというのが、基本となります。イラストでは、右のローキックからステップインしていますが、もちろんローキックを蹴らない場合は、右足を一歩送ってサイドポジションに入ることが大切です。実は、あまり知られていない事が、この技術が、空手の基本の受け技「回し受け」の応用であるという説があるのですが、実はそれは後付けの理屈でした。「回し崩し」をやっているうちに、これは「回し受け」と同じ動きということで、「回し受け」の応用が回し崩しであると言われるようになります。極真空手芦原道場時代の「回し崩し」は、当初「回し受け」とは、少し異なる動きをしていました。右手も相手の頭部に引っ掛けるような形ではなく、相手の毛髪を引っ張って「引き崩す」襟を取って「引き倒す」という動きが主流だったのです。これは、当時の道場生が、「回し崩しは、回し受けの変形ですね?」と芦原先生に質問する生徒がおり、そういえばそうだということで、「回し受け」からの応用技ということになったものでした。実は、この「回し崩し」は、図で見ても非常に簡単で誰でもできるように思われますが、非常に細かな身体操作が必要な技術なのです。多くの人が、投げる時に力で投げていますが、芦原先生は力はほとんど使っていません。それでも、相手は崩れ落ちてしまいます。力を入れずとも相手が自分から崩れます。「サバキは力じゃないけんな」という言葉どおり、力で相手を投げている人は、まだ初心者レベルという事です。