これは、すこしぼけているが、キャロルの面々がパリで「山本寛斎」のファッションショーに出演した時に撮影された空手着を着ての写真である。一番左端が、矢沢永吉である。このファッションショーに出演するために、キャロルの面々は極真会館に入門したのである。当時極真会館の師範としてキャロルの面々を指導したのが、梶原一騎の実弟・真樹日佐夫であった。当時、ケンカ十段といわれた芦原と同じ広島出身の矢沢永吉が出会っていたらどうなったか?そのあたりのエピソードは、「ケンカ十段と呼ばれた男芦原英幸」(日貿出版社刊)にも出てくる。当時キャロルの面々を指導した真樹師範代の話では、「一番ケンカなれしていて素質があると思ったのが、矢沢永吉くんだったね。空手を本気でやったらチャンピォンになれると思ったね。それくらい矢沢くんは、空手も筋が良かったよ。ジョニー大倉くんは、その後も真樹道場に入門してくれて、おれのプロデュースした映画なんかにも出てくれたんだよ。いい男でね、よく撮影した後で酒を飲みにいったよ。」ということだった。当時、すでにロックスターになることを考えていた矢沢は、空手の稽古にはそれほど乗り気ではなかったようだ。それでも才能が一番あったと真樹師範代が言うくらいだから、才能がある人はどの分野でも結果を出せるのかもしれない。
ケンカ十段と言われた芦原英幸も矢沢永吉と同じ広島出身であった。