渋味のある低い声で、映画「007」シリーズのショーン・コネリーらの吹き替えを担当した声優の若山弦蔵さん(88歳)が、2021年5月18日、心不全のため東京都内の自宅で死去した。若山弦蔵さんは、実はケンカ十段と呼ばれた男・芦原英幸氏のビデオ「スーパーテクニック芦原カラテ 捌き」で芦原氏と共演している。
若山さんは、ショーン・コネリー(007)やピーター・グレイブス(スパイ大作戦)などの吹き替えで有名であるが、ビデオでは芦原英幸氏と会いインタビューを行っている。次の文は、若山さんが、芦原英幸氏と会った時の感想である。
ー若山さんは芦原英幸氏のことを当時ご存じでしたか?
若山:はい、存じ上げてました。
ービデオの仕事を受けられた時にはどんな感じでしたか?
若山:ビデオのインタビューの仕事という事でお受けしたんですが、それが空手の技術ビデオのインタビューであるというのは後で知りました。
ー芦原氏とは会ってお話されたわけですね?
若山:もうずいぶん前の話なので、私もそんなにはっきりとは記憶していないんです。あくまで受けた仕事の一つということだったので。
ー芦原氏の印象はどんな感じでしたか?
若山:たいへん礼儀正しい方だというのが私の印象ですね。すごい周りに気を使われていた感じを受けました。やはり、あの目ですね。眼光が鋭いという感じで、武道をされる方なんだなと思いました。
ー他に何かその時のことで記憶に残っていることは?
若山:当時そのビデオの空手の技術のことをいろいろ教えていただきました。正面からは行かないというような。門外漢なので、その方面のことはまったくわからなかったのですが、素人の私ににもわかるようにお弟子さん相手に「こんな風に動くんです」と言って説明してくださいました。
ーその時のインタビューはかなり長かったのですか?
若山:確か尋ねる事というのは、脚本があってそれに沿って尋ねるという感じだったような気がします。迫力のある方でしたね。
これは、日商岩井と講談社で制作された最初の技術ビデオであった。このビデオのなかで芦原氏にインタビューしているのが、若山弦蔵さんである。(ただし音声のみ)