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「このやろう!」といきなり胸ぐらをつかまれたら、それはチャンスだ!
胸ぐらをつかむというのは、本来やってはいけない動きなのである。実は、相手の胸ぐらをつかむことで自分の動きは制限されてしまう。金的もきまりやすいし、そのまま頭突きもヒジ打ちも一番効きやすい距離になる。
さらに胸ぐらをつかまれると、その瞬間に相手の腕力のレベルが一瞬でわかる。
胸ぐらをすぐに掴みにくるような相手は、腕力には多少自信があっても、本当のケンカを知らない相手だと言っていいだろう。
上の図(左)のように相手が、右手でつかんできた場合。
相手に警戒心をいだかせないように右手を相手の方にむけて「やめてください!」と制する。もちろん相手は、調子にのってくるだろうから、そのままその右手を相手のアゴを下から上に持ち上げるように突き上げる。
さらにそのアゴを上から下に落とすのである。ちょうど大きく「山」を描くような感じで行う。これは、相手が反撃してくるとwかっていれば人間は対応できるのだが、その準備ができていない瞬間をつかれると容易にバランスを崩してしまうものなのである。
上の図(右)のように、相手が左手でつかんできた場合。
この場合は、自分は右手で相手の肩口を外から内に押さえることによって相手の次の攻撃を制限している。この時は、イラストでは手だけで押さえにいっているように見えるが、実際には右手だけでなく、右足が右斜め前に移動し、相手のサイドにステップしていることが大切である。
自分の右足をすばやく相手の側面に移動させると同時に相手の肩口を押すというイメージで行えばよいだろう。相手が殴ろうとしても、内側に崩されているため次の攻撃を仕掛けることがむずかしくなるのである。
ここで、さらに相手の頭を押さえ、さらに相手の背後まで回り込むという技術もあるが
それは、また次の機会に紹介したいと思う。
また、一般的にこうした簡単な動きでもそれが自然に反射的に出せるまでには、最低でも2年ほど道場で稽古しなければならない。よく護身術の本で、相手がこう来たらこう対処するなどと書かれた本があるが、なかなかそのとおりに動けるかというと難しいのではないかと思う。なぜなら、人間は不測の事態に落ち入った場合、通常の動きが出来ずに固まってしまうことがあるからだ。
よく緊張のあまり体が固まってしまったというような話を聞く。これは、何も武道の世界だけの話ではない。会社で大勢の前でいきなりスピーチをすることになった場合などでも同様である。緊張で体が動かなくなることがある。そういう場合の簡単な対処がある。それは、足のヒザを曲げる事である。なんだそんなことかと思うかもしれないが、人間が緊張した時は、大抵ヒザが伸びきっているのだ。そのことが、原因で体が身動き取れなくなっていることがわからないのだ。
緊張した時は → ヒザを曲げる →緊張が取れる!
という事を知っておくと役に立つだろう。
※このブログでは、役に立つ護身法なども紹介していきますが、それはあくまでもある程度の稽古を行って、しかるのち使えるようになるものであることを知っておいていただきたいと思います。何事もインスタントにできるものではありません。